ガッリエヌス発行による貨幣。第2軍団イタリカの象徴である 牝狼と双子 が見受けられる。裏面には「LEG II ITAL VII P VII F」とあり、これは「第2軍団(LEG II = LEGIO II)イタリカ(ITAL = ITALICA) VII P VII F= VII PIA VII FIDELIS (後述)」の意味である。
第2軍団イタリカ (Legio II Italica) は、ローマ軍団の一つ。165年にマルクス・アウレリウス・アントニヌスによって第3軍団イタリカと同時に編成、当時同時に戦っていたゲルマニアとパルティアへの備えとした。軍団の紋章は女狼と双子、すなわち ロムルスとレムス であり、これは当時の皇帝アウレリウスと共同皇帝であったルキウス・ウェルスも表していた。
当初の軍団の駐屯地は ドナウ川流域 のノリクム(Noricum)、この地はゲルマン人が侵入が激しかった地であった。その後軍団はラウリアクム(Lauriacum - 現オーストリア、リンツ近郊)に移動する。
五皇帝の年 (193年)にはセプティミウス・セウェルスの指揮のもとローマに進軍、セウェルスの帝位継承のために戦う。その労力に際し、セウェルスからフィデリス(Fidelis - 『忠実な軍団』の意)の称号を授かる。その後セウェルスは軍団を ペスケンイウス・ニゲル やクロディウス・アルビヌス、そして自らのパルティア侵攻に投入するつもりであったらしい。
軍人皇帝の時代は帝位を求める者に取って軍団の影響力は欠かせなかった。その中で軍団はガッリエヌスを支持、その労に対して「セプティエス・ピア・セプティエス・フィデリス(VII Pia VII Fidelis - 『7倍誠実で7倍忠実な軍団』の意)」というコグノーメンを贈られた。
5世紀の初頭には軍団は最初の駐屯地であるノリクムへと戻り、ここに駐屯した記録が最後となっている。
ローマ軍団/レギオン( カテゴリ ) |
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役職 |
指導者 |
ドゥクス | 指揮官 |
レガトゥス/レガトゥス・レギオニス - トリブヌス/トリブヌス・ミリトゥム | 隊長格 |
プリムス・ピルス - ケントゥリオ - オプティオ - デクリオ | 歩兵 |
ウェリテス - ホプロマクス |
| 軍団一覧 |
共和政起源 |
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第1軍団ゲルマニカ - 第2軍団サビナ (アウグスタ) - 第3軍団キュレナイカ (ガッリカ) - 第4軍団マケドニカ(スキュティカ) - 第5軍団アラウダエ - 第6軍団フェッラタ - 第7軍団パテルナ (クラウディア・ピア・フィデリス) - 第8軍団アウグスタ - 第9軍団トリウムパリス (ヒスパナ) - 第10軍団エクェストリス( ゲミナ ) - 第11軍団 - 第12軍団ウィクトリクス |
| 帝政前期・中期 |
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第1軍団(Legio I) ゲルマニカ - アディウトリクス - イタリカ - マクリアナ・リベラトリクス - ミネルウァ - パルティカ
第2軍団(Legio II) アディウトリクス・ピア・フィデリス - アウグスタ - イタリカ - パルティカ - トライアナ・フォルティス
第3軍団(Legio III) アウグスタ - キュレナイカ - ガッリカ - イタリカ - パルティカ
第4軍団(Legio IV) マケドニカ(フラウィア・フェリクス) - スキュティカ
第5軍団(Legio V) アラウダエ - マケドニカ
第6軍団(Legio VI)フェッラタ - ウィクトリクス |
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