ゴルディアヌス3世の治世下、軍団の駐屯地シンガラで造幣された同時代の貨幣。第1軍団パルティカの紋章であるケンタウロスが見受けられる。
第1軍団パルティカ(Legio I Parthica)はローマ軍団の一つ。西暦197年にローマ皇帝セプティミウス・セウェルスによって、パルティア遠征のために編成された。軍団は中東に駐屯し、その所在は5世紀初頭まで記録として残されている。紋章はケンタウロス。
197年にセウェルスによって3軍団を編成。第1軍団、第2軍団、 第3軍団 ともに「パルティカ」と名付けパルティア遠征を行った。遠征が成功裏に終わると、その中の第1軍団パルティカ、第3軍団パルティカのみが現地に残留、メソポタミア流域のシンガラ(Singara - 現イラン北部)を駐屯地とし、断続的に起こる反乱やパルティアからの東部領域の侵略に対する備えとした。
この軍団の軍団兵は通常別の属州に派遣される事が多く、具体的にはリュキア、キリキア、 キュレナイカ などに送られた。
360年、軍団は ササン朝ペルシア の攻勢に対して敗れ、その後ニビリス(Nibilis -現シリアとトルコ国境付近)に転属となる。しかしそこでもササン朝の攻撃を受け363年にニビリスは降伏する事となる。その後軍団は コンスタンティアナ へ転属、5世紀まで駐在していた事が記録に残されている。
ローマ軍団/レギオン( カテゴリ ) |
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役職 |
指導者 |
ドゥクス | 指揮官 |
レガトゥス/レガトゥス・レギオニス - トリブヌス/トリブヌス・ミリトゥム | 隊長格 |
プリムス・ピルス - ケントゥリオ - オプティオ - デクリオ | 歩兵 |
ウェリテス - ホプロマクス |
| 軍団一覧 |
共和政起源 |
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第1軍団ゲルマニカ - 第2軍団サビナ (アウグスタ) - 第3軍団キュレナイカ (ガッリカ) - 第4軍団マケドニカ(スキュティカ) - 第5軍団アラウダエ - 第6軍団フェッラタ - 第7軍団パテルナ (クラウディア・ピア・フィデリス) - 第8軍団アウグスタ - 第9軍団トリウムパリス (ヒスパナ) - 第10軍団エクェストリス( ゲミナ ) - 第11軍団 - 第12軍団ウィクトリクス |
| 帝政前期・中期 |
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第1軍団(Legio I) ゲルマニカ - アディウトリクス - イタリカ - マクリアナ・リベラトリクス - ミネルウァ - パルティカ
第2軍団(Legio II) アディウトリクス・ピア・フィデリス - アウグスタ - イタリカ - パルティカ - トライアナ・フォルティス
第3軍団(Legio III) アウグスタ - キュレナイカ - ガッリカ - イタリカ - パルティカ
第4軍団(Legio IV) マケドニカ(フラウィア・フェリクス) - スキュティカ
第5軍団(Legio V) アラウダエ - マケドニカ
第6軍団(Legio VI)フェッラタ - ウィクトリクス |
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