ビーズ(英語 複数形 beads)は、装飾や手芸などに用いる穴の開いた小さな玉。数珠玉(じゅずだま)、南京玉(なんきんだま)ともいう。特にガラス製のものはとんぼ玉と呼ばれる。
穴の開いた玉で、直径は10mm以下が多い。
形状は球形や円筒形の物が多いほか、花形や星形など様々ある。素材はガラスや プラスチック に加えて、古来の石(天然石や宝石)、貝殻、真珠、 珊瑚 、動物の角・骨など多岐にわたる。
装飾・手芸用品、子供向け玩具として売られている。穴に紐・糸を通して立体的なアクセサリーを作ったり、衣服やバッグなどに縛り付けたり縫い付けたりする。色が異なる多数のビーズを使い分けて、絵画のような模様を描き出す刺繍もある。
ヨーロッパのキリスト教圏でロザリオに使用される数珠玉について、 アングロサクソン語 のbiddan(祈る)、bede(祈る人)から変化して呼ばれるようになったのが語源という説がある。
装身などに用いる穴の空いた玉自体はそれ以前から、世界各地にあった。古代インダス文明では、 紅玉髄 製ビーズの製造が盛んに行われ、樽型ビーズをはじめとしてメソポタミアにも輸出された。高い加工技術を要する マイクロビーズ も作られていた。
奴隷貿易の際に貿易品としてアフリカ大陸に渡ったビーズは トレードビーズ と呼ばれる。
1900年代初頭までに作られたビーズは、 アンティークビーズ 、 ビンテージビーズ と呼ばれる。ガラスの加工技術が現在と異なり、独特の風合いのあるビーズが生産された。また、プラスチック(ルーサイト)の加工技術が確立された時期にも当たるため、現在の感覚ではキッチュに見えるデザインの プラスチックビーズ が大量に生産された。
日本では大正時代末に婦人雑誌などで紹介されて流行した。1926年に出版された『ビーズ手芸全書』が日本初の本格的な参考書である。
21世紀に入ってからの流行の推移としては、スワロフスキー全盛期を経て、現在はビンテージビーズなどのヨーロッパのビーズや天然石ビーズが、現代の工業生産されたものと違いひと粒ずつが個性を持っているとして人気を集めている。